目が白く濁っている、目が赤い、涙・めやにが多い

  • 白内障
  • 緑内障
  • ぶどう膜炎
  • 乾性角結膜炎(ドライアイ)
  • 治療について

白内障

原因

原因

白内障は眼球内の本来は透明である水晶体が何らかの原因によって、不可逆性の変化を受けて不透明化してしまう疾患で、視覚が失われる病気です。その原因は加齢、遺伝、外傷性、糖尿病など多岐にわたります。

症状

目が白く濁っている、視覚が低下して物にぶつかったりするなどといった症状が見られます。白内障は老齢で起こしやすいのですが、品種や原因などにより若齢でもおきます。その場合、進行が速くなる事が多く注意が必要です。

多い動物

ボストンテリア、プードル、アメリカンコッカスパニエル、ミニチュアシュナウザー、ペルシャ猫、ヒマラヤン、アメリカンショートヘアーなど

治療

早期については、白内障進行予防薬である点眼薬を処方することがありますが、完治は難しく、あくまでも進行を少しでも抑えるのが目的です。
また、視覚の改善を目的にした治療の場合は水晶体の切除および人工の眼内レンズ挿入などの手術が必要になります。手術は専門施設で基本は行われます。

緑内障

原因

原因

緑内障とは何らかの原因により眼圧が上昇し、眼球奥にある網膜や視神経が圧迫され、その障害によって正常に機能できなくなり、視力機能の低下または失明してしまう病気です。
発生の原因は「原発性」「続発性」「先天性」に分類されます。
「原発性」は遺伝が強く関与していると考えられています。眼球の変化や全身の問題がなく眼圧が急に上がってしまいます。
「続発性」は眼球内の問題や全身性疾患に関連した眼内の変化(炎症、出血、腫瘍など)により、眼球内に存在する眼房水の排出に障害が起こる事で発症します。

症状

赤目および混濁に加え、様々な程度の眼痛や顔や頭を触られるのを嫌がる、視覚の異常や喪失によって物に当たる、眼球の拡張などが起こります。

多い種類

「原発性」ではアメリカン・コッカスパニエル、柴犬、シャー・ペイ、シーズー、シベリアンハスキー、ミニチュア・プードル、ビーグル、猫ではサイアミーズ種 「続発性」ではテリア種

治療

治療は、治療により視覚回復が望めるものと、どのような治療をしても視覚回復を望めないものとで治療方針が変わります。視覚回復が可能な目には内科的および外科的なあらゆる治療を試みるべきであり、視覚回復が望めない場合には苦痛を取り除いたり、眼圧を下げたり、炎症を抑えたりなど生涯にわたって継続しなければならない緑内障治療を終えるための処置を行います。

ぶどう膜炎

原因

原因

ぶどう膜炎とは虹彩、毛様体、脈絡膜を含むぶどう膜の一部あるいは全体の炎症の事を言います。原因は多岐にわたり、ウイルス、細菌、真菌、寄生虫などの感染症の他、外傷、腫瘍、糖尿病、高血圧症、中毒、原因不明による特発性などが考えられます。

症状

赤目(レッドアイ)、物にぶつかるなどの視覚障害、眩しがる、まぶたが痙攣してピクピクする、その他、原因によって全身症状は多様になります。

多い種類

秋田犬、サモエド、シベリアンハスキー、ゴールデンレトリバー、など

治療法

内科療法として柱となるのがステロイド剤または非ステロイド剤による点眼または全身投与を行い炎症の鎮静化をはかります。他にも眼内にある毛様体の痙攣を抑えたり、鎮痛目的でアトロピン点眼剤(瞳孔散瞳剤)を使用したり、感染症があれば抗生剤点眼または全身投与など原因疾患があればそれに応じた処置などを行います。
ぶどう膜炎はすみやかに改善がみられることもあれば、急に悪化する事もありますので治療中は勿論、良くなったとしても予後注意が必要です。

乾性角結膜炎(ドライアイ)

原因

原因

乾性角結膜炎とは、涙液中の水分が欠乏する事で結膜と角膜の乾燥や炎症、眼疼痛などを引き起こす疾患です。
原因は慢性的な眼瞼結膜炎(まぶたの炎症)、先天性(涙腺の形成不全)、外傷、薬剤(麻酔薬や抗生剤など)、代謝性疾患(甲状腺機能低下症、糖尿病、副腎皮質機能亢進症など)など多岐にわたりますが、最も多いのは免疫介在性です。免疫の異常によって涙腺が炎症を起こし、涙腺組織が減少して涙が少なくなることで発症します。

症状

赤目(レッドアイ)、眼痛、粘性または粘液膿性眼脂(目やに)

多い種類

キャバリア、シーズー、ラサ・アプソ、ミニチュア・シュナウザー、ウェストハイランド・ホワイト・テリア、アメリカン・コッカ・スパニエル、ヨークシャーテリアなど

治療法

免疫介在性乾性結膜炎の場合は涙液量の回復にシクロスポリン点眼液(免疫抑制剤)を1日2回使用します。徴候の改善には時間がかかります。シクロスポリン点眼で涙液量が回復するまでの間は、人口涙液やヒアルロン酸点眼などを使用します。粘液膿性の眼脂(目やに)が見られる場合は細菌感染が疑われますので抗菌剤の点眼液を使用します。シクロスポリン点眼薬は良好になっても途中で休薬すると再発しやすいので継続する必要性が大事になります。

治療について

《あーす動物病院の眼科治療の2つの特徴》

01 各種眼科検査が可能

眼科用の各種機器を取りそろえることで、シルマーテスト、スリットランプ検査、フルオレセイン検査、眼底検査など一次診療で必要な検査をしっかりとおこなうことが可能になっております。

02 専門施設との連携

眼は他の器官よりも精密な構造をしており、一定以上の診療や治療には高い専門性が必要とされます。
当院では、白内障の手術など専門医の診療を受けた方が良いと判断した場合は、連携している専門病院をご紹介をさせていただいております。