【獣医師が解説】犬の糖尿病とは?症状・治療・ご家庭でのケアまで|八潮市のあーす動物病院

犬の糖尿病と受診すべきタイミングとは?

八潮市・草加市にお住まいの皆様、こんにちは。
あーす動物病院院長の横内です。

「水をたくさん飲むようになった」
「最近、おしっこの量が増えた」
「ごはんは食べているのに痩せてきた」
これらの症状、犬の糖尿病の可能性があるかもしれません。
放置すると失明や腎不全、命に関わる合併症へ進行することもあるため、早期の発見と継続的な治療が大切です。
今回は、犬の糖尿病について、わかりやすく解説します。
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症状|犬の糖尿病でよく見られるサイン
糖尿病の初期には、以下のような症状が見られます。
• 水をよく飲む(多飲)
• おしっこの量や回数が増える(多尿)
• 食欲はあるのに痩せてくる
• 毛づやが悪くなる
• 体がだるそうにしている
• 目が白く濁る(白内障)
• 嘔吐や元気消失(重症時)
初期段階では元気もあり、見逃されやすいこともあります。
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原因|犬が糖尿病になる背景
犬の糖尿病の多くは「インスリン依存型(Ⅰ型)」で、膵臓がインスリンを作れなくなることが原因です。
以下のような要因が関係しているといわれています。
• 遺伝的要素(プードル、ミニチュアシュナウザーなど)
• 高齢化(7歳以上に多い)
• ホルモン疾患(クッシング症候群など)
• 肥満
• 長期のステロイド使用
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動物病院に行くべき目安
下記のような様子が見られる場合は、早めに動物病院にご相談ください。
• 水を飲む量やおしっこの回数が明らかに増えた
• 食べているのに体重が減っている
• 尿がベタついている(糖が混ざっている)
• 目が白く濁ってきた
• 昔より疲れやすい、元気がない
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治療|犬の糖尿病の主な治療法
犬の糖尿病の治療では、インスリン注射が基本となります。
加えて、食事管理や体調管理を一緒に行うことが重要です。
• インスリンの定期的な注射(1日1~2回)
• 血糖値や尿糖のモニタリング
• 食事療法(糖質制限食や繊維質の多い療法食)
• 肥満や他の疾患のコントロール
※自己判断でインスリンの量を変えるのは危険です。
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あーす動物病院での治療
あーす動物病院では、以下のようなサポートを行っています。
• 初期検査(血液・尿検査、内臓機能評価)
• インスリンの適切な選定と投与指導
• ご自宅での注射の方法や管理方法を丁寧にレクチャー
• 定期的な通院による経過観察・数値チェック
糖尿病は長い付き合いになりますが、一緒にコントロールしていく体制を整えていますのでご安心ください。
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ご自宅での対処法・管理のポイント
• 決まった時間にインスリンとごはんをセットで与える
• 与えるフードは医師の指示に従い療法食に切り替える
• おやつは避け、間食は極力控える
• 日々の飲水量・食事量・排尿回数を記録すると管理が楽に
• 症状が悪化した際はすぐに病院へ連絡
※低血糖(ふらつき・けいれんなど)を起こすことがあるため、症状が変だと思ったらすぐに受診しましょう。
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予防|糖尿病を防ぐためにできること
完全に予防できるわけではありませんが、以下のような生活管理がリスクを下げます。
• 適切な体重を維持する(肥満対策)
• 定期的な健康診断で早期発見
• 持病(ホルモン疾患など)の管理
• 高齢期に入ったら血糖チェックを習慣に
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Q&A|よくあるご質問
Q. 糖尿病は治りますか?
→犬の糖尿病は完治するというより、コントロールして付き合っていく病気です。
Q. インスリンは一生必要ですか?
→多くの場合、生涯にわたってインスリン投与が必要です。
Q. 自宅で注射するのが不安です…
→当院では飼い主様のペースに合わせて、注射の練習やサポートを行っています。ご安心ください。
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まとめ
犬の糖尿病は、早期発見と日々の管理が鍵となる病気です。
きちんと治療を続ければ、元気に暮らすことができます。
「もしかして糖尿病かも?」と感じたら、まずは検査にお越しください。
あーす動物病院では、ご家庭と連携しながら、無理なく続けられる治療をご提案しています。