【獣医師が解説】犬の膿皮症とは?原因・治療・予防法まで解説|八潮市のあーす動物病院

犬の膿皮症と受診すべきタイミングとは?

八潮市・草加市にお住まいの皆様、こんにちは。
あーす動物病院院長の横内です。

「赤いブツブツができている」
「かさぶたみたいなものが背中に…」
「痒がって皮膚をかきむしる」
このような症状が見られる場合、**「膿皮症(のうひしょう)」**という皮膚疾患の可能性があります。
皮膚トラブルの中でもよく見られる病気のひとつで、再発しやすいため継続的なケアが大切です。
今回は、犬の膿皮症についてわかりやすくご説明します。
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症状|犬の膿皮症でよく見られるサイン
膿皮症は皮膚の浅い層に細菌が感染することで炎症が起きる皮膚病です。以下のような症状が見られます。
• 小さな赤いブツブツ(丘疹)
• 膿をもった発疹(膿疱)
• 脱毛・かさぶた・フケの増加
• 皮膚がベタベタ・においが強くなる
• 痒みや痛みで皮膚を舐めたりかきむしる
特にお腹、わきの下、内股、背中などの被毛が薄い部位に出やすい傾向があります。
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原因|膿皮症の背景にあるもの
膿皮症は、主に常在菌であるブドウ球菌が過剰に増えることで起こります。以下のような要因が関係しています。
• アレルギー(食物・環境)
• 皮膚のバリア機能の低下(シャンプーのしすぎや乾燥など)
• ホルモン異常(甲状腺機能低下症、クッシング症候群)
• 外傷や虫刺され
• 不衛生な環境や過湿
また、免疫力の低下や他の病気が背景にあるケースもあります。
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動物病院に行くべき目安
以下のような状態が続く場合は、悪化する前に早めにご来院ください。
• 発疹が広がってきた・膿が出てきた
• 痒みで夜も落ち着かず、ずっと舐めたりかいている
• ニオイがきつくなってきた
• 以前も同じような皮膚トラブルがあった
• 市販薬や自宅ケアでよくならない
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治療|犬の膿皮症の基本的な治療法
膿皮症の治療は、原因と症状の程度に応じて行います。
• 抗生物質の内服(2〜4週間)
• 抗菌シャンプーや薬用シャンプーによるスキンケア
• かゆみを抑える薬(抗ヒスタミン薬・ステロイド)
• 原因疾患(アレルギー・ホルモン疾患など)がある場合はその治療
重症化している場合や再発を繰り返す場合は、培養検査や感受性検査で菌を特定して治療することもあります。
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あーす動物病院での治療
あーす動物病院では、皮膚の状態を詳細にチェックしたうえで、以下のような治療を行います。
• 皮膚の顕微鏡検査や細菌培養検査
• 体質や生活環境に合った治療方針のご提案
• 薬用シャンプーやスキンケアの指導
• 再発しにくい皮膚づくりのための栄養指導や体質改善サポート
また、通院が難しい方にもご自宅で継続できるケア方法を丁寧にお伝えしています。
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ご自宅での対処法
治療中や再発予防のためには、日常的なスキンケアや生活環境の見直しが効果的です。
• 週1〜2回の薬用シャンプー(獣医師の指示に従う)
• ブラッシングで皮膚を清潔に保つ
• 湿気の多い時期は除湿・通気に注意
• 舐め壊し防止にエリザベスカラーを使う場合も
• 治療中は自己判断での中断を避ける
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予防|膿皮症を防ぐためにできること
• 定期的なシャンプーとブラッシング
• アレルギーやホルモン疾患の早期発見・コントロール
• 高温多湿の時期は皮膚を清潔・乾燥させる工夫を
• 太りすぎ・栄養バランスの偏りを防ぐ食事管理
• 定期的な健康診断と皮膚チェック
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Q&A|よくあるご質問
Q. 膿皮症はうつりますか?
→犬同士で直接感染することはほとんどありませんが、傷口を共有しないように注意しましょう。
Q. 繰り返すのはなぜ?
→体質やアレルギー、ホルモンの乱れが背景にあると、根本から改善しないと再発を繰り返します。
Q. 自宅のシャンプーで治りますか?
→市販のシャンプーでは一時的に改善しても根本治療には不十分です。まずは獣医師にご相談を。
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まとめ
膿皮症はよくある皮膚病である一方、再発しやすく慢性化しやすい病気でもあります。
「ただのかゆみ」「また同じ場所にできた」では済まさず、適切な治療と予防ケアが重要です。
あーす動物病院では、皮膚トラブルの根本原因を一緒に見つけ、再発しない健康な皮膚づくりを目指しています。
気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。