【獣医師が解説】犬のよだれが多いのはなぜ?原因と対処法、受診の目安を解説|八潮市のあーす動物病院

犬のよだれと受診すべきタイミングとは?

八潮市・草加市にお住まいの皆様、こんにちは。
あーす動物病院院長の横内です。

「最近、うちの子のよだれが増えた気がする…」
「床やおもちゃがいつも濡れている」
そんな“犬のよだれ”に関するご相談をいただくことがあります。
犬によだれが出るのは自然なこともありますが、突然増えたり、長く続いたりする場合は注意が必要です。
今回は、犬のよだれの原因や見極めのポイント、受診の目安、治療法について詳しく解説します。
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症状|犬のよだれ、どこからが「異常」?
普段は気にならない程度のよだれでも、以下のような変化がある場合は注意が必要です。
• よだれの量が明らかに増えた
• 口の周りや顎がいつも濡れている
• よだれににおいがある・粘り気が強い
• よだれと一緒に吐き気・食欲不振・元気消失が見られる
• 口を気にして前足でこすったり、口を開けたままにしている
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原因|犬のよだれが増える理由とは?
犬のよだれは、生理的なものと病的なものがあります。代表的な原因を以下にご紹介します。
1. 食べ物・匂いによる唾液分泌(正常)
食事前やおやつを見たときに出るよだれは自然な反応です。
2. 口の中のトラブル(歯周病・口内炎・歯の破折など)
歯や歯ぐきの炎症・痛みが原因でよだれが増えることがあります。口臭や出血、食欲不振を伴う場合も。
3. 異物が口の中にある
木の枝、毛、ガムの欠片などが歯や歯ぐき、舌に挟まっているケースもあります。
4. 中毒・誤食
殺虫剤・洗剤・チョコレート・タバコなどを誤食すると、よだれ・嘔吐・ふらつき・痙攣などの症状が急激に現れます。
5. 熱中症
体温が上がりすぎると、体温調節のためによだれ(唾液)を大量に分泌します。
6. 乗り物酔い・不安・ストレス
車に乗った時や病院に行く時などに一時的によだれが増えることがあります。
7. 口腔内の腫瘍
高齢犬で、口の中にしこりや出血、片側だけのよだれが見られる場合は腫瘍の可能性もあります。
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動物病院に行くべき目安
以下のようなよだれの症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。
• よだれが突然多くなった/止まらない
• よだれに血が混じる・強いにおいがある
• 食欲がない・吐き気や元気の低下を伴う
• よだれと同時に痙攣・ふらつき・呼吸異常がある
• 異物誤食の可能性がある
• 高齢犬で片側だけのよだれが続く
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治療|原因に応じた対処法
犬のよだれに対する治療は、原因に応じて次のように対応します。
• 歯周病・口内炎:歯石除去・抗炎症薬・抗生物質など
• 異物混入:口腔内のチェックと異物の除去処置
• 中毒や誤食:催吐処置・解毒処置・点滴治療など早急な対応が必要
• 熱中症:体温管理・冷却・点滴などの緊急処置
• 腫瘍や重度の口腔疾患:画像診断・生検・手術などを含む総合的な治療
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あーす動物病院での治療
当院では、よだれの背景にある原因を丁寧に探るため、口腔内検査・血液検査・レントゲン検査・中毒物チェックなどを組み合わせて診断を行います。
「何かを食べたかもしれない」「口を触ると嫌がる」といった小さな変化でも大丈夫です。
安全な治療と的確な判断で、大切なご家族を守ります。
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ご自宅での対処法
軽度のよだれや一時的な原因であれば、以下のような対処が可能です。
• よだれを清潔なガーゼやタオルでやさしく拭き取る
• ストレスを避け、静かな環境で休ませる
• 室温や湿度を適切に保つ(熱中症予防)
• よだれが出た前後に与えたものを確認しておく
※症状が長引いたり、他の異常がある場合は必ず病院へ。
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予防|よだれトラブルを防ぐには
• 日々のデンタルケア(歯みがき・定期的な歯科検診)
• 異物を口にしないよう安全な生活環境の整備
• 熱中症対策(特に夏場の散歩や室内温度管理)
• 中毒物を犬が届かない場所に保管(キシリトール、チョコなど)
• ストレスや不安を感じさせない工夫(無理な抱っこ、車酔い対策)
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Q&A|よくあるご質問
Q. よだれが出るのは犬種による違いもありますか?
→はい。セントバーナードやブルドッグなど口まわりの構造上よだれが出やすい犬種もいますが、「急に増えた」「だらだら出て止まらない」などの変化は注意が必要です。
Q. よだれだけで受診してもいいですか?
→もちろんです。よだれは病気の初期サインであることも多いため、気になった時点での相談が大切です。
Q. 食後によだれが増えるのは問題ですか?
→一時的な反応であれば正常範囲ですが、継続する場合や他の症状を伴う場合はご相談ください。
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まとめ
犬のよだれは、ちょっとした体の変化や不調のサインであることがあります。
「食欲はあるけど、よだれが多い」「よだれと一緒に口臭や痛みがありそう」といった変化に気づいたら、早めの診察が安心につながります。
あーす動物病院では、原因をしっかり見極めたうえで、飼い主様と一緒に最適な治療とケアをご提案しています。
気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。