CASE

症例報告|軽度アレルギー性皮膚炎 +長期間の舐め行動の習慣化 +脂漏性皮膚炎

症例報告

長期間続く足先の舐め行動と皮膚の変色

症例

14歳、トイ・プードル。
前足を中心に四肢端を長期間舐め、口周りや耳の毛も茶色く変色していました。痒みは強くなく夜は眠れていましたが、暇な時間に長く舐める傾向がありました。

診断

軽度アレルギー性皮膚炎
+長期間の舐め行動の習慣化
+脂漏性皮膚炎

足先、口周り、耳はアレルギー症状が出やすい部位です。ただし、初回の消炎処置だけでは舐め行動がほとんど変わらなかったこと、靴下を装着すると徐々に舐めなくなったことから、軽い痒みだけでなく、長期間続いた舐め行動が習慣として残っている可能性を考えました。

茶色い毛は、長期間舐めたことによる唾液の着色が主体と考えられます。また、背中にフケやベタつきがみられたため、脂漏性皮膚炎も併発している可能性があります。

実施した検査・治療

皮膚の顕微鏡検査では、マラセチアなどの酵母菌は明確には確認されませんでした。

治療として、

  • 二次的な感染を考慮した抗菌治療

  • 酵母菌の関与を確認するための短期間の抗真菌治療

  • アレルギー性の痒みに対するゼンレリア

  • 靴下による舐め行動の防止

  • 脂漏性皮膚炎に対する薬用シャンプー

を行いました。

治療の理由

皮膚の痒みや感染を抑えるだけでなく、物理的に舐められない時間を作り、長期間続いた舐め行動を少しずつ弱めることを目的としました。

靴下の装着後は、当初その上から舐めようとしていましたが、徐々に諦め、舐める頻度は大きく減少しました。

現在の治療方針

現在は感染を疑う所見が乏しいため、抗菌薬と抗真菌薬は終了し、ゼンレリアとシャンプーによる維持管理を行っています。

靴下は急に中止せず、飼い主様が観察できる時間に短時間ずつ外します。外す際は、抱っこや遊び、フード探しなどで足から意識をそらし、舐め始めた場合は叱らず再装着します。

注意点・リスク

靴下は蒸れや締めつけに注意し、毎日足先の赤み、腫れ、湿り気、臭いを確認します。

ゼンレリア使用中は、嘔吐、下痢、食欲や元気の低下、皮膚・耳の感染などに注意します。

また、高齢で脂漏症状がみられるため、再発や全身状態の変化があれば、甲状腺機能を含む血液検査を検討します。

経過

治療後は足を舐める行動が減少し、口周りの茶色い着色や皮膚状態も改善傾向です。今後も軽いアレルギー症状を管理しながら、舐めない時間を少しずつ延ばしていきます。

🐾 この症例でかかった費用(目安)

飼い主さんが安心して来院できるよう、 今回の症例で実際に行った検査・治療の費用を「目安」としてまとめています。

■ 診察・検査

初診料: 1300円

 再診料:800円

細胞診など: 2000円〜

■ 治療・お薬

注射 (消炎剤) : 1500円〜

内服薬(抗生剤・ゼンレリアなど):約9000円〜

外用薬(薬用シャンプー): 500円〜

■ 合計(目安)

約15000円〜程度

※症状の程度や体質により費用は前後する場合があります。

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